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頭・顔・のどのガン
投稿日時:2012/10/11(木) 17:57
脳腫瘍
脳にできるガン
脳腫瘍には原発性と転移性がある。
【脳腫瘍の分類】
原発性の脳腫瘍は次のように分類される。
1.神経膠腫(しんけいこうしゅ)=グリオーマ
・星細胞腫(せいさいぼうしゅ)
・悪性星細胞腫(あくせいせいさいぼうしゅ)
・膠芽腫(こうがしゅ)
・髄芽腫(ずいがしゅ)
・その他
2.髄膜腫(ずいまくしゅ)
3.下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)
4.神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)
5.先天性腫瘍:頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)など
6.その他
原発性の脳腫瘍から他の臓器へ転移することはほぼありません。これに対し、他の臓器のガンが脳に転移する(転移性脳腫瘍)ケースはよく見られます。特に肺ガン、乳ガンは脳に転移しやすいガンである。
転移性脳腫瘍は、脳の複数の場所にガンが認められる特徴があります。また、ガン細胞が脳脊髄液(のうせきずいえき)のなかで増殖することもある。
腫瘍が発生する部位、病状、経過、予後は様々である。原因、危険因子もはっきりしていない。
【脳腫瘍の症状】
腫瘍が直接圧迫することでおこる「局所症状」と、頭蓋内の圧が高まっておこる「頭蓋内圧亢進症状(ずがいないあつこうしんしょうじょう)」があります。腫瘍の存在する場所によって、症状はちがってきます。一般には、頭痛(慢性的でだんだん強くなる)、嘔吐、歩き方や話し方が異常になる、などが目安になる。進行すると、視覚、聴覚、精神に影響し、痴呆と間違えられることもある。
【脳腫瘍の治療】
・手術、放射線、化学療法を組み合わせる。
・ガンマナイフ:放射線(ガンマ線)のガン細胞への集中照射で手術のように切り取る。
・転移性脳腫瘍は放射線療法が主体になる。
甲状腺ガン
早期の甲状腺ガンの治癒率は高い
甲状腺ガンは、喉頭の下に位置した甲状腺および副甲状腺にできるガンである。甲状腺は、エネルギー代謝を調節する甲状腺ホルモンを分泌している。副甲状腺(上皮小体)は、甲状腺の四隅にあり、血液中のカルシウム濃度を調節する副甲状腺ホルモンを分泌します。
甲状腺ガンは、比較的たちの良いガンで、治療成績は良い。
【甲状腺ガンの危険が高い人】
甲状腺ガンの危険因子ははっきりしていない。放射線被ばく(放射線治療など)、家系(近親者に甲状腺ガンにかかった人がいる)などが考えられる。60歳以上の女性に多い。
【甲状腺ガンの症状】
早期の時点で、症状はほどんど現れない。甲状腺ガンの大きさが3~5cmになると、首の腫れやしこり(腫瘤=しゅりゅう)に気づく。甲状腺ガンが進行すると、声がれ(嗄声=させい)、嚥下困難、呼吸困難が生じる。
【甲状腺ガンの種類】
◆乳頭ガン
甲状腺ガンのうちの約90%は乳頭ガンである。さらに乳頭ガンの90%が、比較的おとなしい(進行してもゆっくり)高分化ガンである。残りの10%は再発、転移しやすい。
◆濾胞(ろほう)ガン
濾胞ガンは、甲状腺ガンのうち10%弱を占める。乳頭ガンととてもよく似ていて、手術前に判別するのは難しい。濾胞ガンも悪性度の低い高分化ガンである。
◆髄様(ずいよう)ガン
髄様ガンは、甲状腺ガンの1%程度である。遺伝性であり、多くは比較的おとなしい良性である。
◆未分化ガン
甲状腺ガンのうち2%ぐらいが、未分化ガンの発生頻度である。未分化ガンの発生経路は、
?甲状腺濾胞上皮細胞から直接発生する
?乳頭ガン、濾胞ガンから転化する
の二つである。
【甲状腺ガンの検査】
甲状腺ガンの発見のきっかけは、頸部の腫瘤(首に出るコブのような腫れ・しこり)である。本人や家族、第三者、医師(別の病気で診察時)などが気づくことから、本格的に甲状腺ガンを疑って検査することが多い。頸部の腫瘤に触れてみて、表面が凸凹していて、腫瘤が動きにくいようなら、甲状腺ガンの可能性が高い。
次に、血液検査、腫瘍マーカー検査、超音波検査、頸部X線検査、CT検査、細胞診などで確定する。
【甲状腺ガンの治療】
手術が基本である。早い病期の乳頭ガン、濾胞ガンなら、手術でほぼ100%治癒すると報告されている。他に、抗ガン剤療法、ホルモン療法、放射線療法がある。放射線療法には、甲状腺ガン独特の療法がある。放射線を出すヨウ素(ヨード)をガン細胞に吸収させ、内部から放射線を照射する方法である。
口腔ガン(舌、歯肉、口腔底など)
舌、歯肉、口腔底、口唇、頬粘膜、耳下腺、顎下腺、小唾液腺などにできるガン
口の中に発生する口腔ガンは、頭頸部ガンの中では咽頭ガンとともに多いガンである。ガンが発生する場所は、舌、歯肉が多く、他に、口腔底、口唇、頬粘膜、耳下腺、顎下腺、小唾液腺などである。
(口腔ガンを咽頭ガンに含んで分類することもある)
口腔ガンのほとんどは、粘膜表面の重層扁平上皮(じゅうそうへんぺいじょうひ)にできる。
【口腔ガンの危険因子】
・口腔内の不衛生
・喫煙
・飲酒
・歯や義歯が当たる慢性的な刺激(キズ)
【口腔ガンの症状】
●舌ガン
最も起こりやすい場所は、側面(辺縁部)、裏側、舌根。
症状としては、
・舌の色の変化(一部が赤くなる、白っぽく厚くなる)
・熱いものや冷たいものの飲食でしみる
・治りにくい口内炎や潰瘍
・飲食物の飲み込みがしにくい(嚥下不良)
・しこり
・しゃべりにくい(舌の運動障害)
●歯肉ガン
・歯肉の変色
・しこり、潰瘍
・歯がぐらつく、歯痛
・歯槽膿漏とまちがえやすい
ガンが進行すると出血しやすくなる。顎の骨に転移しやすい。ガンが骨や筋層に及ぶと、顎の運動がしにくくなる。
【口腔ガンの検査】
口腔ガンは直接目で見やすい部位なので視診で病状が把握しやすい。
病理検査(ガン組織を採取して顕微鏡で調べる)、超音波検査、CT検査、MRI検査などで深さ、周囲への広がりを確認する。
【口腔ガンの治療】
●舌ガン
・手術、放射線
●歯肉ガン
・手術、放射線、抗ガン剤、動注化学療法
咽頭ガン
悪性リンパ腫への移行もある咽頭ガン
口腔と隣接しているので、口腔・咽頭ガンと分類される場合が多い。飲食物、空気の通過、味覚、しゃべる、という機能に不可欠な器官である。咽頭ガンは、上咽頭ガン、中咽頭ガン、下咽頭ガンに分けられる。咽頭ガンは、喫煙と飲酒によって発生するリスクが高くなる。また、上咽頭ガンに関しては、ウイルスの一種(EBウイルス)が原因として考えられている。
【咽頭ガンの症状】
●上咽頭ガン
首の腫れ(リンパ節)、鼻づまり、鼻血、血液の混じる鼻水、耳の痛み、耳の閉塞感、難聴(片側)、ものが二重に見える。
遠隔転移のリスクが高い。主な転移先は肝臓、肺、骨。頸部リンパ節に転移しやすい。
●中咽頭ガン
咽頭の違和感、飲食物がしみる、首の腫れ(リンパ節転移による)、痛み・出血。
周囲にリンパ節が多くリンパ転移しやすい。また悪性リンパ腫の多発部位でもある。
●下咽頭ガン
飲み込む時の異物感、耳の痛み、首のしこり、声がかすれる
食道ガンが併発する(30%くらい)
下咽頭ガンは、ガンがかなり大きくならないと症状がでない。
【咽頭ガンの検査】
視診(肉眼で直接見る。見にくい部位は内視鏡を使う)、触診(指で直接触れる)、病理検査(組織を採取して調べる)、CT検査、MRI検査、超音波検査など。
【咽頭ガンの病期】
●上咽頭ガン
I期:ガンが上咽頭にとどまっている。
II期:ガンが中咽頭や鼻腔などの隣の部位に拡がっているがリンパ節転移がない場合。
咽頭側方への拡がりがあるか鎖骨上のリンパ節以外の片側のリンパ節転移がある場合。
ガンが上咽頭にとどまっていてもガンと同じ側の6cm以下の頸部リンパ節転移がある、
あるいは咽頭側方から頭蓋底付近へのガンの浸潤がある場合。
III期:ガンが骨組織や副鼻腔に拡がっているか、両側の6cm以下の頸部リンパ節転移がある場合。
IV期:ガンがさらに広範に浸潤し、頭の中(頭蓋内)、脳神経、眼窩、下咽頭などへ拡がる、
頸部リンパ節転移が6cmを超えるか、転移が鎖骨上までおよぶ、遠隔転移ありの場合。
●中咽頭ガン
I期:ガンがT1の大きさで頸部リンパ節転移がない場合。
II期:ガンがT2の大きさで頸部リンパ節転移がない場合。
III期:ガンがT1またはT2の大きさで、同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が1個ある場合。
ガンがT3の大きさで頸部リンパ節転移がないか、あるいは同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が
1個ある場合。
IV期:ガンがT4の場合。
頸部リンパ節転移が2個以上認められる、あるいは3cmを超える大きさになる、
あるいは反対側の頸部に出現した場合。
遠隔転移がある場合。
*T分類=ガンの拡がり具合
T1:2cm以下 T2:2~4cm以下 T3:4cm以上 T4:周囲の筋、骨、喉頭などへ拡がった場合
●下咽頭ガン
I期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまるか、その大きさが2cm以下であり、頸部リンパ節転移がない場合。
II期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまらず隣の部位にまで拡がっているが、喉頭の中には及んでいないか、
ガンの大きさが2cm~4cm以下であり、頸部リンパ節転移がない場合。
III期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまらず隣の部位に拡がっており、かつ喉頭の中に及んでいて、
声帯(声をだすところ)が動かないか、がんの大きさが4cmを超えるか、ガンと同じ側の
頸部リンパ節に 3cm以下の転移が1個ある場合。
IV期:ガンが下咽頭にとどまらず周辺(骨、軟骨、筋肉など)に拡がっているか、頸部リンパ節への転移が
6cm以上もしくは2個以上あったり、ガンと反対側の頸部に出てきた場合か、
遠隔転移(肺、骨など)がある場合。
【咽頭ガンの治療】
●上咽頭ガン
放射線療法が主体
●中咽頭ガン
放射線療法が主体だったが、手術の技術が進歩している。
抗ガン剤が選択されるケースもある。
●下咽頭ガン
手術が中心で、放射線、抗ガン剤を組み合わせる。
喉頭ガンは女性に比べ男性が10倍の罹患率
喉頭ガンは、頭頸部ガンの中でも多いガンである。喉頭は声門(声帯)上部、声門(声帯)、声門(声帯)下部に分けられる。声門(声帯)にできるガンがもっとも多い。喉頭ガンは50歳以上で、喫煙、飲酒、声の酷使などで発生しやすい。とくにブリンクマン指数1000以上(1日の喫煙本数に喫煙年数を掛ける《例》1日20本×50年=1000)の人に発生する危険が高い。
男性の喉頭ガンに罹る率と死亡率は女性の約10倍である。
【喉頭ガンの症状】
声のかすれ(嗄声=させい)が1ヶ月以上続く、のどの異物感、のどの痛みなど。
声門(声帯)下部のガンは症状が出にくい。
進行すると、声門が狭くなったり声帯の運動が悪くなることもあり、呼吸がゼーゼーしたり、スムーズにできなくなる。ガンが粘膜表面に出てくると出血し、血痰になったり、息が生臭い悪臭になる。
【喉頭ガンの検査】
視診(喉頭鏡、鼻から挿入するファイバースコープで直接観察する)、病理検査(組織を採取して調べる)、X線検査、超音波検査、CT検査、MRI検査など。
【喉頭ガンの病期】
I期:ガンが1亜部(喉頭とさらに小さい単位に分けたもの)に限られている場合。
*声門ガンの場合はさらに?a(ガンが片方の声帯とどまる)と?b(ガンが両方の声帯にある)に分けられる。
II期:喉頭内の隣接亜部位まで進展しているが、喉頭内にとどまっている場合で、
頸部リンパ節転移、遠隔転移ともない場合。
III期:声帯が全く動かなくなったり、3cm以下の頸部リンパ節転移を1個認めるが、遠隔転移はない場合。
IV期:ガンが喉頭を越えて咽頭や頸部に及ぶ、頸部リンパ節転移が多発する、あるいは転移リンパ節が
6cm以上となる、
またはガンと反対側の頸部リンパ節転移、遠隔転移がある場合。
【喉頭ガンの治療】
早期のガンには放射線療法、進行しているガンには手術(喉頭全摘術)が主になる。
喉頭部分切除、発声機能を残すための放射線化学療法(放射線+抗ガン剤)も選択される。
【喉頭全摘術(手術で喉頭を全部とってしまう)の影響】
●息を吹く、吸うことができない
首の付け根の「永久気管孔」をつけて空気の通り道を確保するため、咳や痰が出やすくなったり、吹く・吸うという動作ができなくなる。
●嗅覚障害
鼻から吸気できないので、匂いがわからない。
●声の喪失
声帯がなくなり自然な発声ができなくなる。発声訓練(食道発声法、パイプ式人工喉頭=タピア笛、電気人工喉頭、シャント法)によって会話ができるようにする。
鼻腔ガン、副鼻腔ガン
減少傾向にある鼻腔ガン、副鼻腔ガン
呼吸のための空気の出入り口(鼻腔)、および鼻腔の左右にある4つの副鼻腔(上顎洞=じょうがくどう、前頭洞=ぜんとうどう、篩骨洞=しこつどう、蝶形骨洞=ちょうけいこつどう)にできるガンである。なかでも上顎洞に好発する。40~60歳代。女性より男性に多い。
鼻腔・副鼻腔ガンの原因としては、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、ヒトパピローマウイルスの感染、クローム(金属)などが考えられているが、はっきりはしていない。鼻腔・副鼻腔ガンは減少傾向にあるが、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が減っていることによるものと考えられる。
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの症状】
鼻づまり(鼻閉)、膿のような鼻水(慢性副鼻腔炎=蓄膿症とまちがえやすい)、鼻水に血が混じる(血性鼻漏)、悪臭(ガン細胞の壊死による)、頭痛・頭重などである。
さらに進行すると周辺部位を侵す。
《眼》
ガンが眼窩を侵すことによって、眼球が圧迫され、位置がずれる、突き出る、腫れる、動きにくい、物が二重に見える(複視)などの症状がでる。
《歯、口の中の上部(硬口蓋=こうこうがい)》
頬の腫れ・痛み、歯痛、歯肉・硬口蓋の腫れ。
《上咽頭=じょういんとう》
耳に接する部分なので、滲出性中耳炎、難聴。
《あご》
口を開けにくい(開口障害)、物を噛みにくい(咀嚼障害=そしゃくしょうがい)
《頭部(頭蓋)など》
激しい頭痛、顔面の知覚麻痺、三叉神経麻痺
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの検査】
病理検査(組織を採取して調べる)、CT検査、MRI検査など。
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの治療】
放射線、抗ガン剤、手術
*手術は顔貌の変化を伴うので、主治医、家族と納得するまで話し合って受けるのが望ましい。
脳にできるガン
脳腫瘍には原発性と転移性がある。
【脳腫瘍の分類】
原発性の脳腫瘍は次のように分類される。
1.神経膠腫(しんけいこうしゅ)=グリオーマ
・星細胞腫(せいさいぼうしゅ)
・悪性星細胞腫(あくせいせいさいぼうしゅ)
・膠芽腫(こうがしゅ)
・髄芽腫(ずいがしゅ)
・その他
2.髄膜腫(ずいまくしゅ)
3.下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)
4.神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)
5.先天性腫瘍:頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)など
6.その他
原発性の脳腫瘍から他の臓器へ転移することはほぼありません。これに対し、他の臓器のガンが脳に転移する(転移性脳腫瘍)ケースはよく見られます。特に肺ガン、乳ガンは脳に転移しやすいガンである。
転移性脳腫瘍は、脳の複数の場所にガンが認められる特徴があります。また、ガン細胞が脳脊髄液(のうせきずいえき)のなかで増殖することもある。
腫瘍が発生する部位、病状、経過、予後は様々である。原因、危険因子もはっきりしていない。
【脳腫瘍の症状】
腫瘍が直接圧迫することでおこる「局所症状」と、頭蓋内の圧が高まっておこる「頭蓋内圧亢進症状(ずがいないあつこうしんしょうじょう)」があります。腫瘍の存在する場所によって、症状はちがってきます。一般には、頭痛(慢性的でだんだん強くなる)、嘔吐、歩き方や話し方が異常になる、などが目安になる。進行すると、視覚、聴覚、精神に影響し、痴呆と間違えられることもある。
【脳腫瘍の治療】
・手術、放射線、化学療法を組み合わせる。
・ガンマナイフ:放射線(ガンマ線)のガン細胞への集中照射で手術のように切り取る。
・転移性脳腫瘍は放射線療法が主体になる。
甲状腺ガン
早期の甲状腺ガンの治癒率は高い
甲状腺ガンは、喉頭の下に位置した甲状腺および副甲状腺にできるガンである。甲状腺は、エネルギー代謝を調節する甲状腺ホルモンを分泌している。副甲状腺(上皮小体)は、甲状腺の四隅にあり、血液中のカルシウム濃度を調節する副甲状腺ホルモンを分泌します。
甲状腺ガンは、比較的たちの良いガンで、治療成績は良い。
【甲状腺ガンの危険が高い人】
甲状腺ガンの危険因子ははっきりしていない。放射線被ばく(放射線治療など)、家系(近親者に甲状腺ガンにかかった人がいる)などが考えられる。60歳以上の女性に多い。
【甲状腺ガンの症状】
早期の時点で、症状はほどんど現れない。甲状腺ガンの大きさが3~5cmになると、首の腫れやしこり(腫瘤=しゅりゅう)に気づく。甲状腺ガンが進行すると、声がれ(嗄声=させい)、嚥下困難、呼吸困難が生じる。
【甲状腺ガンの種類】
◆乳頭ガン
甲状腺ガンのうちの約90%は乳頭ガンである。さらに乳頭ガンの90%が、比較的おとなしい(進行してもゆっくり)高分化ガンである。残りの10%は再発、転移しやすい。
◆濾胞(ろほう)ガン
濾胞ガンは、甲状腺ガンのうち10%弱を占める。乳頭ガンととてもよく似ていて、手術前に判別するのは難しい。濾胞ガンも悪性度の低い高分化ガンである。
◆髄様(ずいよう)ガン
髄様ガンは、甲状腺ガンの1%程度である。遺伝性であり、多くは比較的おとなしい良性である。
◆未分化ガン
甲状腺ガンのうち2%ぐらいが、未分化ガンの発生頻度である。未分化ガンの発生経路は、
?甲状腺濾胞上皮細胞から直接発生する
?乳頭ガン、濾胞ガンから転化する
の二つである。
【甲状腺ガンの検査】
甲状腺ガンの発見のきっかけは、頸部の腫瘤(首に出るコブのような腫れ・しこり)である。本人や家族、第三者、医師(別の病気で診察時)などが気づくことから、本格的に甲状腺ガンを疑って検査することが多い。頸部の腫瘤に触れてみて、表面が凸凹していて、腫瘤が動きにくいようなら、甲状腺ガンの可能性が高い。
次に、血液検査、腫瘍マーカー検査、超音波検査、頸部X線検査、CT検査、細胞診などで確定する。
【甲状腺ガンの治療】
手術が基本である。早い病期の乳頭ガン、濾胞ガンなら、手術でほぼ100%治癒すると報告されている。他に、抗ガン剤療法、ホルモン療法、放射線療法がある。放射線療法には、甲状腺ガン独特の療法がある。放射線を出すヨウ素(ヨード)をガン細胞に吸収させ、内部から放射線を照射する方法である。
口腔ガン(舌、歯肉、口腔底など)
舌、歯肉、口腔底、口唇、頬粘膜、耳下腺、顎下腺、小唾液腺などにできるガン
口の中に発生する口腔ガンは、頭頸部ガンの中では咽頭ガンとともに多いガンである。ガンが発生する場所は、舌、歯肉が多く、他に、口腔底、口唇、頬粘膜、耳下腺、顎下腺、小唾液腺などである。
(口腔ガンを咽頭ガンに含んで分類することもある)
口腔ガンのほとんどは、粘膜表面の重層扁平上皮(じゅうそうへんぺいじょうひ)にできる。
【口腔ガンの危険因子】
・口腔内の不衛生
・喫煙
・飲酒
・歯や義歯が当たる慢性的な刺激(キズ)
【口腔ガンの症状】
●舌ガン
最も起こりやすい場所は、側面(辺縁部)、裏側、舌根。
症状としては、
・舌の色の変化(一部が赤くなる、白っぽく厚くなる)
・熱いものや冷たいものの飲食でしみる
・治りにくい口内炎や潰瘍
・飲食物の飲み込みがしにくい(嚥下不良)
・しこり
・しゃべりにくい(舌の運動障害)
●歯肉ガン
・歯肉の変色
・しこり、潰瘍
・歯がぐらつく、歯痛
・歯槽膿漏とまちがえやすい
ガンが進行すると出血しやすくなる。顎の骨に転移しやすい。ガンが骨や筋層に及ぶと、顎の運動がしにくくなる。
【口腔ガンの検査】
口腔ガンは直接目で見やすい部位なので視診で病状が把握しやすい。
病理検査(ガン組織を採取して顕微鏡で調べる)、超音波検査、CT検査、MRI検査などで深さ、周囲への広がりを確認する。
【口腔ガンの治療】
●舌ガン
・手術、放射線
●歯肉ガン
・手術、放射線、抗ガン剤、動注化学療法
咽頭ガン
悪性リンパ腫への移行もある咽頭ガン
口腔と隣接しているので、口腔・咽頭ガンと分類される場合が多い。飲食物、空気の通過、味覚、しゃべる、という機能に不可欠な器官である。咽頭ガンは、上咽頭ガン、中咽頭ガン、下咽頭ガンに分けられる。咽頭ガンは、喫煙と飲酒によって発生するリスクが高くなる。また、上咽頭ガンに関しては、ウイルスの一種(EBウイルス)が原因として考えられている。
【咽頭ガンの症状】
●上咽頭ガン
首の腫れ(リンパ節)、鼻づまり、鼻血、血液の混じる鼻水、耳の痛み、耳の閉塞感、難聴(片側)、ものが二重に見える。
遠隔転移のリスクが高い。主な転移先は肝臓、肺、骨。頸部リンパ節に転移しやすい。
●中咽頭ガン
咽頭の違和感、飲食物がしみる、首の腫れ(リンパ節転移による)、痛み・出血。
周囲にリンパ節が多くリンパ転移しやすい。また悪性リンパ腫の多発部位でもある。
●下咽頭ガン
飲み込む時の異物感、耳の痛み、首のしこり、声がかすれる
食道ガンが併発する(30%くらい)
下咽頭ガンは、ガンがかなり大きくならないと症状がでない。
【咽頭ガンの検査】
視診(肉眼で直接見る。見にくい部位は内視鏡を使う)、触診(指で直接触れる)、病理検査(組織を採取して調べる)、CT検査、MRI検査、超音波検査など。
【咽頭ガンの病期】
●上咽頭ガン
I期:ガンが上咽頭にとどまっている。
II期:ガンが中咽頭や鼻腔などの隣の部位に拡がっているがリンパ節転移がない場合。
咽頭側方への拡がりがあるか鎖骨上のリンパ節以外の片側のリンパ節転移がある場合。
ガンが上咽頭にとどまっていてもガンと同じ側の6cm以下の頸部リンパ節転移がある、
あるいは咽頭側方から頭蓋底付近へのガンの浸潤がある場合。
III期:ガンが骨組織や副鼻腔に拡がっているか、両側の6cm以下の頸部リンパ節転移がある場合。
IV期:ガンがさらに広範に浸潤し、頭の中(頭蓋内)、脳神経、眼窩、下咽頭などへ拡がる、
頸部リンパ節転移が6cmを超えるか、転移が鎖骨上までおよぶ、遠隔転移ありの場合。
●中咽頭ガン
I期:ガンがT1の大きさで頸部リンパ節転移がない場合。
II期:ガンがT2の大きさで頸部リンパ節転移がない場合。
III期:ガンがT1またはT2の大きさで、同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が1個ある場合。
ガンがT3の大きさで頸部リンパ節転移がないか、あるいは同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が
1個ある場合。
IV期:ガンがT4の場合。
頸部リンパ節転移が2個以上認められる、あるいは3cmを超える大きさになる、
あるいは反対側の頸部に出現した場合。
遠隔転移がある場合。
*T分類=ガンの拡がり具合
T1:2cm以下 T2:2~4cm以下 T3:4cm以上 T4:周囲の筋、骨、喉頭などへ拡がった場合
●下咽頭ガン
I期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまるか、その大きさが2cm以下であり、頸部リンパ節転移がない場合。
II期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまらず隣の部位にまで拡がっているが、喉頭の中には及んでいないか、
ガンの大きさが2cm~4cm以下であり、頸部リンパ節転移がない場合。
III期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまらず隣の部位に拡がっており、かつ喉頭の中に及んでいて、
声帯(声をだすところ)が動かないか、がんの大きさが4cmを超えるか、ガンと同じ側の
頸部リンパ節に 3cm以下の転移が1個ある場合。
IV期:ガンが下咽頭にとどまらず周辺(骨、軟骨、筋肉など)に拡がっているか、頸部リンパ節への転移が
6cm以上もしくは2個以上あったり、ガンと反対側の頸部に出てきた場合か、
遠隔転移(肺、骨など)がある場合。
【咽頭ガンの治療】
●上咽頭ガン
放射線療法が主体
●中咽頭ガン
放射線療法が主体だったが、手術の技術が進歩している。
抗ガン剤が選択されるケースもある。
●下咽頭ガン
手術が中心で、放射線、抗ガン剤を組み合わせる。
喉頭ガンは女性に比べ男性が10倍の罹患率
喉頭ガンは、頭頸部ガンの中でも多いガンである。喉頭は声門(声帯)上部、声門(声帯)、声門(声帯)下部に分けられる。声門(声帯)にできるガンがもっとも多い。喉頭ガンは50歳以上で、喫煙、飲酒、声の酷使などで発生しやすい。とくにブリンクマン指数1000以上(1日の喫煙本数に喫煙年数を掛ける《例》1日20本×50年=1000)の人に発生する危険が高い。
男性の喉頭ガンに罹る率と死亡率は女性の約10倍である。
【喉頭ガンの症状】
声のかすれ(嗄声=させい)が1ヶ月以上続く、のどの異物感、のどの痛みなど。
声門(声帯)下部のガンは症状が出にくい。
進行すると、声門が狭くなったり声帯の運動が悪くなることもあり、呼吸がゼーゼーしたり、スムーズにできなくなる。ガンが粘膜表面に出てくると出血し、血痰になったり、息が生臭い悪臭になる。
【喉頭ガンの検査】
視診(喉頭鏡、鼻から挿入するファイバースコープで直接観察する)、病理検査(組織を採取して調べる)、X線検査、超音波検査、CT検査、MRI検査など。
【喉頭ガンの病期】
I期:ガンが1亜部(喉頭とさらに小さい単位に分けたもの)に限られている場合。
*声門ガンの場合はさらに?a(ガンが片方の声帯とどまる)と?b(ガンが両方の声帯にある)に分けられる。
II期:喉頭内の隣接亜部位まで進展しているが、喉頭内にとどまっている場合で、
頸部リンパ節転移、遠隔転移ともない場合。
III期:声帯が全く動かなくなったり、3cm以下の頸部リンパ節転移を1個認めるが、遠隔転移はない場合。
IV期:ガンが喉頭を越えて咽頭や頸部に及ぶ、頸部リンパ節転移が多発する、あるいは転移リンパ節が
6cm以上となる、
またはガンと反対側の頸部リンパ節転移、遠隔転移がある場合。
【喉頭ガンの治療】
早期のガンには放射線療法、進行しているガンには手術(喉頭全摘術)が主になる。
喉頭部分切除、発声機能を残すための放射線化学療法(放射線+抗ガン剤)も選択される。
【喉頭全摘術(手術で喉頭を全部とってしまう)の影響】
●息を吹く、吸うことができない
首の付け根の「永久気管孔」をつけて空気の通り道を確保するため、咳や痰が出やすくなったり、吹く・吸うという動作ができなくなる。
●嗅覚障害
鼻から吸気できないので、匂いがわからない。
●声の喪失
声帯がなくなり自然な発声ができなくなる。発声訓練(食道発声法、パイプ式人工喉頭=タピア笛、電気人工喉頭、シャント法)によって会話ができるようにする。
鼻腔ガン、副鼻腔ガン
減少傾向にある鼻腔ガン、副鼻腔ガン
呼吸のための空気の出入り口(鼻腔)、および鼻腔の左右にある4つの副鼻腔(上顎洞=じょうがくどう、前頭洞=ぜんとうどう、篩骨洞=しこつどう、蝶形骨洞=ちょうけいこつどう)にできるガンである。なかでも上顎洞に好発する。40~60歳代。女性より男性に多い。
鼻腔・副鼻腔ガンの原因としては、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、ヒトパピローマウイルスの感染、クローム(金属)などが考えられているが、はっきりはしていない。鼻腔・副鼻腔ガンは減少傾向にあるが、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が減っていることによるものと考えられる。
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの症状】
鼻づまり(鼻閉)、膿のような鼻水(慢性副鼻腔炎=蓄膿症とまちがえやすい)、鼻水に血が混じる(血性鼻漏)、悪臭(ガン細胞の壊死による)、頭痛・頭重などである。
さらに進行すると周辺部位を侵す。
《眼》
ガンが眼窩を侵すことによって、眼球が圧迫され、位置がずれる、突き出る、腫れる、動きにくい、物が二重に見える(複視)などの症状がでる。
《歯、口の中の上部(硬口蓋=こうこうがい)》
頬の腫れ・痛み、歯痛、歯肉・硬口蓋の腫れ。
《上咽頭=じょういんとう》
耳に接する部分なので、滲出性中耳炎、難聴。
《あご》
口を開けにくい(開口障害)、物を噛みにくい(咀嚼障害=そしゃくしょうがい)
《頭部(頭蓋)など》
激しい頭痛、顔面の知覚麻痺、三叉神経麻痺
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの検査】
病理検査(組織を採取して調べる)、CT検査、MRI検査など。
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの治療】
放射線、抗ガン剤、手術
*手術は顔貌の変化を伴うので、主治医、家族と納得するまで話し合って受けるのが望ましい。
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記事タイトル:頭・顔・のどのガン
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