キトサンを活用して健康生活を維持 2012/10/11
癌 について知る
投稿日時:2012/10/11(木) 18:00
小児がん
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ガン(悪性腫瘍)とは?
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ガン(悪性腫瘍)をわかりやすく解説します
人間の体は、一部を除いて常に入れ替わっています。何が入れ替わるかというと「細胞」です。人間の体には、約60兆もの細胞があります。しかし、もとは精子と卵子が結合した受精卵という一つの細胞から分裂しています。精子と卵子の中にある遺伝子(生命情報)に基づいて、脳の細胞、肺の細胞、胃の細胞、皮膚の細胞と、各器官に適した細胞を作り上げていきます。
ガンは、本来そこにあるべきものとは違う細胞がどんどん増えていく病気です。それぞれの体の器官は、本来の役割をまっとうすべく、個々の細胞が集合しています。つまり、肺に胃の細胞ができて増え続けたら、肺の仕事ができなくなるので、それらはガンです。植物でも、根は根、茎は茎、葉は葉、ですよね。根に葉ができてしまったら、地中から水や養分を吸い上げれません。
ガン(悪性腫瘍)の特徴は、
1.人間の正常な新陳代謝(細胞の入れ替わり)に従わず、勝手に増殖を続ける
2.浸潤(周囲に拡がる)、転移(体の他の部位に血液やリンパを通って飛び散る)をする
3.終末期には悪液質(あくえきしつ)が見られる
悪液質:身体にとって必要な栄養分をガン細胞が横取りしてしまう、また、ガン細胞から毒性物質が出されることで、食欲低下、全身倦怠、体重減少がおこり、身体が衰弱する。
ガンはどうしてできるのか?
ガンは遺伝病ではありません
「うちはガンの家系だから…」「親がガンだったから、私もガンになるに違いない…」と、ガンはあたかも遺伝する病気だと思われている方も多いようです。ガンは遺伝子にキズがつくことから起こる病気ですが、遺伝病ではありません。(一部、遺伝病としてのガンもあります)
遺伝子というのは、細胞の形や機能をコントロールしています。一つの細胞には、人間の機能に必要な情報がすべてセットしてあります。その中で、脳の細胞は脳の働きのための、胃の細胞は胃の働きのための遺伝子だけがスイッチオンになっていて、作動するのです。
この遺伝子に何らかの原因でキズがつくと、秩序的な細胞の入れ替わりができなくなり、ガンになっていきます。正常な細胞には決められた周期があり、寿命があります。人間の体は一部を除いて常に入れ替わっています。、皮膚は28日、血液は約4ヶ月で全部新しくなります。
この入れ替わりも、遺伝子がコントロールしています。遺伝子には、生き物が生まれて、体を作って、維持して、一生を終える、という指令がすべて書き込まれています。細胞が入れ替わるためには、
*細胞が分裂、増殖する→細胞活性化遺伝子(ガン遺伝子)
*役目を終えた細胞が自ら死ぬ→老化遺伝子(ガン抑制遺伝子)
という反対の働きを持った、いわばアクセルとブレーキのような関係の遺伝子がバランスよく働かなければなりません。この遺伝子にキズがつき、アクセルとブレーキが壊れて暴走しだすのが、ガンです。
次で詳しく述べますが、この遺伝子にキズがつくこと自体を完全に防ぐことはできません。したがって、ガン発生の大部分は後天的な要因によるものです
二段階発ガン説
ガンができるきっかけと増える原因
病気としてのガンになるまでには二つの段階があるといわれています(二段階発ガン説)。
1.細胞の遺伝子がキズつき、ガンの大元ができる(イニシエーション)
イニシエーター(初発因子)によって、細胞の遺伝子がキズつき、ガンの大元ができる。ただし、まだこの段階では「眠ったままのガン細胞」状態である。イニシエーターとしては、化学物質、放射線、紫外線、ウイルス、タバコなど。
2.大元のガンが大きくなっていく(プロモーションと免疫力の低下)
イニシエーションの状態の細胞を刺激し増殖させて、ガン(悪性腫瘍)にする。プロモーションに関与するものをプロモーター(促進因子)と呼ぶ。プロモーターは、食生活(35%)、タバコ(30%)、慢性感染症やウイルス(10%)という研究結果がある。また、本人の免疫力が低下することも、ガンを大きくする。食事、タバコだけでなく、過労、睡眠不足、ストレス、心の持ち方などが影響する。
第一段階の「細胞の遺伝子がキズつき、ガンの大元ができる」ことを、完全に防ぐことはできません。生きている限り、毎日自然発生しています。以下は「癌ー患者になった5人の医師たち」(角川ONEテーマ21)のなかで、昭和大学腫瘍分子生物学研究所所長の黒木登志夫氏が述べていることです。
「発ガン物質は、合成色素や食品添加物のように人工的な物質だと思われていますが、実は大部分が自然の産物なのです。人のガンでもっとも重要な発ガン物質はニトロソアミンという物質です。(中略) ニトロソアミンは、私たちの身のまわりにたくさんあります。ごく微量ですが食べ物にも含まれています。タバコにも多くのニトロソアミンが含まれています。それにも増して重要なのは、体内でニトロソアミンがつくられることです。それ自身には発ガン性のない亜硝酸と二級アミンの食べ合わせで、体の中で自然にできてしまうのです。都合の悪いことに、胃液はニトロソアミンをつくるのにとてもいい条件ときています。亜硝酸の材料はどこにでもあります。生野菜、一夜漬けの漬け物などが材料となりますが、これらを制限しても意味はありません。口中の細菌によって硝酸から亜硝酸がいつまでもつくられるからです。そして、その量は食物からとる量より多いのです。二級アミンは魚肉、魚卵に含まれます。研究が進むにつれて発ガン物質と一口にいってもさまざまで、ピンからキリまであることがわかってきました。私たちは、ごく自然に発ガン物質やガンの因子にとり囲まれて生活しているといっても、決して大げさではありません」
ただし、私たちは細胞の遺伝子についたキズを自分で修復する能力も持っています。細胞分裂のときに起こるコピーミス(突然変異=元の細胞とちがうものができてしまう)の回数は、人間の一生では10億~100億回起こる計算になるそうです。前出の黒木氏のような研究者の立場からすると、どうしてこんなにガンが少ないのか不思議だそうです。それほど人間にはすばらしい治癒能力、治癒システムが備わっているのです。
第二段階のプロモーション(病気としてのガンになるのを促進する)は、私たちの生活習慣に関係することが大きい。食生活、仕事などのライフスタイル、心の状態などです。つまり、ガンの大元が発生する第一段階を防ぐことはできないが、第二段階のガンが大きくなることを防ぐ手だてはあるということです。嗜好品や食生活の改善でプロモーターとの接触を避ける、仕事の仕方、睡眠、運動、心の持ち方などで免疫力を落とさない、あるいは活性化させることで、ガンに対抗できるのです。
多段階発ガン説
遺伝子研究の成果?
大腸ガンでは、ガンが発生し成長していく仕組みが遺伝子レベルで解かってきているものもあります。
▼ガン抑制遺伝子[APC遺伝子]の異常による正常細胞のポリープ化
↓
▼ガン遺伝子[K-ras遺伝子]の異常によるポリープの増大
↓
▼別のガン抑制遺伝子[P53遺伝子]の異常によるポリープのガン化
という三つの段階を経て、大腸ガンはできると解明されています。このような、ガンは複数の段階をたどって発生するという考え方を、「多段階発ガン説」と呼んでいます。ただし、このルートをたどらない大腸ガンもあるし、他のガンでは発ガン経路が不明のものも多いようです。
さて前項の「二段階説」と「多段解説」。遺伝子というミクロの世界を解明した「多段解説」を、最新の学説と支持する専門家もいますが、個人的には両者は別だとは思いません。たくさんあるなかの特定の遺伝子が関与していることはわかりました。しかし、「ある遺伝子の異常」をガンの原因と言うのはどうかと思います。なぜなら、結果的にガンを発生させる遺伝子の異常は現象であって、その異常を引き起こし、成長させてしまうものこそが本質的な「原因」だからです。そしてその多くは日常生活の中にあるのです。
ガンの成長と血管新生
ガンも大きくなるには栄養が必要
ガンも生きていくためには、栄養が必要です。また、老廃物も出ます。これらは、正常細胞と同じように、血液を介して供給、回収がなされます。ガンがまだ小さいうちは、既存の血管を正常細胞と共同で使います。しかし、だんだん大きくなってくると、それでは間に合わないので、自分専用の血管を作ってしまいます。(血管新生)
これによってガンは、十分な栄養を取り込み、さらに大きくなることができます。同時に、ガンの塊から分離したガン細胞、剥げ落ちたガン細胞が、この新生血管を通り道にして、体のあちこちに分散していきます。これが転移になります。
ただ、ガンが作る血管は通常の血管に比べて不完全で脆いという研究もあります。それゆえ、ガンが大きくなるのに欠かせない血管新生を抑えることができれば、ガンを兵糧攻めにしてガンを死滅させようという薬の開発もされています。ガンが自前の血管から栄養を補給できない場合、ガンの塊はせいぜい直径1~2mm程度しか成長できないそうです。また、血管が脆いためガンが大きくなると中心部まで血液が届かず、ガンの中心に近い内部は腐ってしまうケースも多いのです。
ガンの浸潤、播種
ガンは周囲に忍び込む
ガンが成長していくと、周辺の組織や臓器にも忍び込みます。ガンは原発巣(げんぱつそう=最初にできた場所)を覆っている基底膜(組織の境界線のようなもの)を、分解酵素という物質を出して壊してしまいます。そこからお隣さんに侵入し、広がっていくのが浸潤(しんじゅん)です。
また、近接する膜組織に散らばることを、播種(はしゅ)といいます。代表的なのが腹膜播種(ふくまくはしゅ)です。
ガンの再発と転移
ガンは離れたところにも散らばる
ガンの治療後、ガンが消え症状がなくなってから、再び同じ場所にガンが現れるのが再発(さいはつ)です。最初の治療で完全にガンがなくなり、さらにガンが発生する原因の改善ができれば、再発のリスクは低くなります。しかし、検査でも見つけられないごく小さなガンが残っていて、体力、免疫力が低下するようなこと、ガンを育ててしまう要因が除かれなければ、再びガンとして現れてきます。
一方、ガンは血管やリンパ管に入り込んで、離れた臓器、組織、器官に移動し、新たな病巣をつくります。また、手術の際にも原発巣から離れたほかの部位に運ばれることもあり、これらを転移(てんい)と呼びます。ガンによって転移をおこしやすい部位があります。たとえば、胃ガンなら胃の周囲のリンパ節、肝臓。大腸ガンは肝臓に、肝臓ガンは肺に、肺ガンは脳に、それぞれ転移しやすい。
血管やリンパ管に侵入したガンは、標的に到達するとその脈管内に着く(着床=ちゃくしょう)。このとき抗体やマクロファージといった免疫細胞の攻撃を受け死んでいくガンもありますが、生き残ったものは脈管外に出て転移巣(てんいそう)を形成します。
転移というと、ガンがどんどん悪化して勢力を拡大するように考えられていますが、「転移はガンが治るサイン」と主張する専門家もいます。転移をおこす原因には、ガン細胞同士の連結力が低下することもあるようです。「免疫革命」で一躍有名になった新潟大学医学部教授の安保徹教授は、「転移は、原発巣がリンパ球によって攻撃されて悲鳴をあげ、生き延びるためにちらばっている状態なのです」と言っています。
とはいうものの実際、再発ガン、転移ガンは一筋縄ではいかない厄介者が多いので、心の持ち方、知恵、複数の克服法を必要とします。当サイトの「困った時の様々なガン療法」や「再発・転移・進行・末期のガン対策」をご参照ください。
ガン細胞 エスケープ現象
免疫細胞の攻撃から巧妙に逃れる
細胞というのは、その中身の情報を細胞表面(細胞膜)に表すという特性を持っています。遺伝子情報(体をつくり機能させる設計図)によって細胞内にどのようなタンパクが生成されたかを、いわば看板を掲げて合図するのです。
これは原則、正常細胞もガン細胞も同じです。ガン細胞は遺伝子が変異しているので、正常細胞とは異なる看板(タンパク)が発現します。このタンパクを免疫細胞のセンサーは察知して、異物と認識し攻撃排除を仕掛けます。ガンの細胞膜に穴を開けて、殲滅します。CTL(細胞障害性T細胞)などは、直接ガン細胞の表面に触れて見分ける能力を持っています。
ところが敵もさる者・・・ガン細胞は免疫細胞の攻撃から逃れるための巧妙なめくらましの術を備えています。これは「ガン細胞の免疫エスケープ現象」と呼ばれています。どんな隠れ蓑を使うかというと・・・
▼めくらまし物質を出して、表面の看板をなくしツルツルにしちゃう
→免疫細胞のセンサーをかいくぐる。見分けがつかなかった免疫細胞は通り過ぎてしまう。
▼サプレッサーT細胞を呼び寄せる
→免疫細胞の一種であるサプレッサーT細胞は、免疫が暴走しないようにブレーキ役となって調整する。免疫が働きすぎても弊害を起こす(アレルギーなど)ので、制御する。ガンの場合はかなりの免疫活動を要求されるので制御する必要はないが、ガン細胞があたかも被害者のように振舞うのか、騙されて制御してしまう。
このようにガン細胞はエスケープ現象を使って、生き延びようとするのです。
小児癌のリンク集です。小児癌に関連するサイト(ページ)を厳選してリンクしていますので、有益な情報をお探しいただけます。
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ガン(悪性腫瘍)とは?
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ガン(悪性腫瘍)をわかりやすく解説します
人間の体は、一部を除いて常に入れ替わっています。何が入れ替わるかというと「細胞」です。人間の体には、約60兆もの細胞があります。しかし、もとは精子と卵子が結合した受精卵という一つの細胞から分裂しています。精子と卵子の中にある遺伝子(生命情報)に基づいて、脳の細胞、肺の細胞、胃の細胞、皮膚の細胞と、各器官に適した細胞を作り上げていきます。
ガンは、本来そこにあるべきものとは違う細胞がどんどん増えていく病気です。それぞれの体の器官は、本来の役割をまっとうすべく、個々の細胞が集合しています。つまり、肺に胃の細胞ができて増え続けたら、肺の仕事ができなくなるので、それらはガンです。植物でも、根は根、茎は茎、葉は葉、ですよね。根に葉ができてしまったら、地中から水や養分を吸い上げれません。
ガン(悪性腫瘍)の特徴は、
1.人間の正常な新陳代謝(細胞の入れ替わり)に従わず、勝手に増殖を続ける
2.浸潤(周囲に拡がる)、転移(体の他の部位に血液やリンパを通って飛び散る)をする
3.終末期には悪液質(あくえきしつ)が見られる
悪液質:身体にとって必要な栄養分をガン細胞が横取りしてしまう、また、ガン細胞から毒性物質が出されることで、食欲低下、全身倦怠、体重減少がおこり、身体が衰弱する。
ガンはどうしてできるのか?
ガンは遺伝病ではありません
「うちはガンの家系だから…」「親がガンだったから、私もガンになるに違いない…」と、ガンはあたかも遺伝する病気だと思われている方も多いようです。ガンは遺伝子にキズがつくことから起こる病気ですが、遺伝病ではありません。(一部、遺伝病としてのガンもあります)
遺伝子というのは、細胞の形や機能をコントロールしています。一つの細胞には、人間の機能に必要な情報がすべてセットしてあります。その中で、脳の細胞は脳の働きのための、胃の細胞は胃の働きのための遺伝子だけがスイッチオンになっていて、作動するのです。
この遺伝子に何らかの原因でキズがつくと、秩序的な細胞の入れ替わりができなくなり、ガンになっていきます。正常な細胞には決められた周期があり、寿命があります。人間の体は一部を除いて常に入れ替わっています。、皮膚は28日、血液は約4ヶ月で全部新しくなります。
この入れ替わりも、遺伝子がコントロールしています。遺伝子には、生き物が生まれて、体を作って、維持して、一生を終える、という指令がすべて書き込まれています。細胞が入れ替わるためには、
*細胞が分裂、増殖する→細胞活性化遺伝子(ガン遺伝子)
*役目を終えた細胞が自ら死ぬ→老化遺伝子(ガン抑制遺伝子)
という反対の働きを持った、いわばアクセルとブレーキのような関係の遺伝子がバランスよく働かなければなりません。この遺伝子にキズがつき、アクセルとブレーキが壊れて暴走しだすのが、ガンです。
次で詳しく述べますが、この遺伝子にキズがつくこと自体を完全に防ぐことはできません。したがって、ガン発生の大部分は後天的な要因によるものです
二段階発ガン説
ガンができるきっかけと増える原因
病気としてのガンになるまでには二つの段階があるといわれています(二段階発ガン説)。
1.細胞の遺伝子がキズつき、ガンの大元ができる(イニシエーション)
イニシエーター(初発因子)によって、細胞の遺伝子がキズつき、ガンの大元ができる。ただし、まだこの段階では「眠ったままのガン細胞」状態である。イニシエーターとしては、化学物質、放射線、紫外線、ウイルス、タバコなど。
2.大元のガンが大きくなっていく(プロモーションと免疫力の低下)
イニシエーションの状態の細胞を刺激し増殖させて、ガン(悪性腫瘍)にする。プロモーションに関与するものをプロモーター(促進因子)と呼ぶ。プロモーターは、食生活(35%)、タバコ(30%)、慢性感染症やウイルス(10%)という研究結果がある。また、本人の免疫力が低下することも、ガンを大きくする。食事、タバコだけでなく、過労、睡眠不足、ストレス、心の持ち方などが影響する。
第一段階の「細胞の遺伝子がキズつき、ガンの大元ができる」ことを、完全に防ぐことはできません。生きている限り、毎日自然発生しています。以下は「癌ー患者になった5人の医師たち」(角川ONEテーマ21)のなかで、昭和大学腫瘍分子生物学研究所所長の黒木登志夫氏が述べていることです。
「発ガン物質は、合成色素や食品添加物のように人工的な物質だと思われていますが、実は大部分が自然の産物なのです。人のガンでもっとも重要な発ガン物質はニトロソアミンという物質です。(中略) ニトロソアミンは、私たちの身のまわりにたくさんあります。ごく微量ですが食べ物にも含まれています。タバコにも多くのニトロソアミンが含まれています。それにも増して重要なのは、体内でニトロソアミンがつくられることです。それ自身には発ガン性のない亜硝酸と二級アミンの食べ合わせで、体の中で自然にできてしまうのです。都合の悪いことに、胃液はニトロソアミンをつくるのにとてもいい条件ときています。亜硝酸の材料はどこにでもあります。生野菜、一夜漬けの漬け物などが材料となりますが、これらを制限しても意味はありません。口中の細菌によって硝酸から亜硝酸がいつまでもつくられるからです。そして、その量は食物からとる量より多いのです。二級アミンは魚肉、魚卵に含まれます。研究が進むにつれて発ガン物質と一口にいってもさまざまで、ピンからキリまであることがわかってきました。私たちは、ごく自然に発ガン物質やガンの因子にとり囲まれて生活しているといっても、決して大げさではありません」
ただし、私たちは細胞の遺伝子についたキズを自分で修復する能力も持っています。細胞分裂のときに起こるコピーミス(突然変異=元の細胞とちがうものができてしまう)の回数は、人間の一生では10億~100億回起こる計算になるそうです。前出の黒木氏のような研究者の立場からすると、どうしてこんなにガンが少ないのか不思議だそうです。それほど人間にはすばらしい治癒能力、治癒システムが備わっているのです。
第二段階のプロモーション(病気としてのガンになるのを促進する)は、私たちの生活習慣に関係することが大きい。食生活、仕事などのライフスタイル、心の状態などです。つまり、ガンの大元が発生する第一段階を防ぐことはできないが、第二段階のガンが大きくなることを防ぐ手だてはあるということです。嗜好品や食生活の改善でプロモーターとの接触を避ける、仕事の仕方、睡眠、運動、心の持ち方などで免疫力を落とさない、あるいは活性化させることで、ガンに対抗できるのです。
多段階発ガン説
遺伝子研究の成果?
大腸ガンでは、ガンが発生し成長していく仕組みが遺伝子レベルで解かってきているものもあります。
▼ガン抑制遺伝子[APC遺伝子]の異常による正常細胞のポリープ化
↓
▼ガン遺伝子[K-ras遺伝子]の異常によるポリープの増大
↓
▼別のガン抑制遺伝子[P53遺伝子]の異常によるポリープのガン化
という三つの段階を経て、大腸ガンはできると解明されています。このような、ガンは複数の段階をたどって発生するという考え方を、「多段階発ガン説」と呼んでいます。ただし、このルートをたどらない大腸ガンもあるし、他のガンでは発ガン経路が不明のものも多いようです。
さて前項の「二段階説」と「多段解説」。遺伝子というミクロの世界を解明した「多段解説」を、最新の学説と支持する専門家もいますが、個人的には両者は別だとは思いません。たくさんあるなかの特定の遺伝子が関与していることはわかりました。しかし、「ある遺伝子の異常」をガンの原因と言うのはどうかと思います。なぜなら、結果的にガンを発生させる遺伝子の異常は現象であって、その異常を引き起こし、成長させてしまうものこそが本質的な「原因」だからです。そしてその多くは日常生活の中にあるのです。
ガンの成長と血管新生
ガンも大きくなるには栄養が必要
ガンも生きていくためには、栄養が必要です。また、老廃物も出ます。これらは、正常細胞と同じように、血液を介して供給、回収がなされます。ガンがまだ小さいうちは、既存の血管を正常細胞と共同で使います。しかし、だんだん大きくなってくると、それでは間に合わないので、自分専用の血管を作ってしまいます。(血管新生)
これによってガンは、十分な栄養を取り込み、さらに大きくなることができます。同時に、ガンの塊から分離したガン細胞、剥げ落ちたガン細胞が、この新生血管を通り道にして、体のあちこちに分散していきます。これが転移になります。
ただ、ガンが作る血管は通常の血管に比べて不完全で脆いという研究もあります。それゆえ、ガンが大きくなるのに欠かせない血管新生を抑えることができれば、ガンを兵糧攻めにしてガンを死滅させようという薬の開発もされています。ガンが自前の血管から栄養を補給できない場合、ガンの塊はせいぜい直径1~2mm程度しか成長できないそうです。また、血管が脆いためガンが大きくなると中心部まで血液が届かず、ガンの中心に近い内部は腐ってしまうケースも多いのです。
ガンの浸潤、播種
ガンは周囲に忍び込む
ガンが成長していくと、周辺の組織や臓器にも忍び込みます。ガンは原発巣(げんぱつそう=最初にできた場所)を覆っている基底膜(組織の境界線のようなもの)を、分解酵素という物質を出して壊してしまいます。そこからお隣さんに侵入し、広がっていくのが浸潤(しんじゅん)です。
また、近接する膜組織に散らばることを、播種(はしゅ)といいます。代表的なのが腹膜播種(ふくまくはしゅ)です。
ガンの再発と転移
ガンは離れたところにも散らばる
ガンの治療後、ガンが消え症状がなくなってから、再び同じ場所にガンが現れるのが再発(さいはつ)です。最初の治療で完全にガンがなくなり、さらにガンが発生する原因の改善ができれば、再発のリスクは低くなります。しかし、検査でも見つけられないごく小さなガンが残っていて、体力、免疫力が低下するようなこと、ガンを育ててしまう要因が除かれなければ、再びガンとして現れてきます。
一方、ガンは血管やリンパ管に入り込んで、離れた臓器、組織、器官に移動し、新たな病巣をつくります。また、手術の際にも原発巣から離れたほかの部位に運ばれることもあり、これらを転移(てんい)と呼びます。ガンによって転移をおこしやすい部位があります。たとえば、胃ガンなら胃の周囲のリンパ節、肝臓。大腸ガンは肝臓に、肝臓ガンは肺に、肺ガンは脳に、それぞれ転移しやすい。
血管やリンパ管に侵入したガンは、標的に到達するとその脈管内に着く(着床=ちゃくしょう)。このとき抗体やマクロファージといった免疫細胞の攻撃を受け死んでいくガンもありますが、生き残ったものは脈管外に出て転移巣(てんいそう)を形成します。
転移というと、ガンがどんどん悪化して勢力を拡大するように考えられていますが、「転移はガンが治るサイン」と主張する専門家もいます。転移をおこす原因には、ガン細胞同士の連結力が低下することもあるようです。「免疫革命」で一躍有名になった新潟大学医学部教授の安保徹教授は、「転移は、原発巣がリンパ球によって攻撃されて悲鳴をあげ、生き延びるためにちらばっている状態なのです」と言っています。
とはいうものの実際、再発ガン、転移ガンは一筋縄ではいかない厄介者が多いので、心の持ち方、知恵、複数の克服法を必要とします。当サイトの「困った時の様々なガン療法」や「再発・転移・進行・末期のガン対策」をご参照ください。
ガン細胞 エスケープ現象
免疫細胞の攻撃から巧妙に逃れる
細胞というのは、その中身の情報を細胞表面(細胞膜)に表すという特性を持っています。遺伝子情報(体をつくり機能させる設計図)によって細胞内にどのようなタンパクが生成されたかを、いわば看板を掲げて合図するのです。
これは原則、正常細胞もガン細胞も同じです。ガン細胞は遺伝子が変異しているので、正常細胞とは異なる看板(タンパク)が発現します。このタンパクを免疫細胞のセンサーは察知して、異物と認識し攻撃排除を仕掛けます。ガンの細胞膜に穴を開けて、殲滅します。CTL(細胞障害性T細胞)などは、直接ガン細胞の表面に触れて見分ける能力を持っています。
ところが敵もさる者・・・ガン細胞は免疫細胞の攻撃から逃れるための巧妙なめくらましの術を備えています。これは「ガン細胞の免疫エスケープ現象」と呼ばれています。どんな隠れ蓑を使うかというと・・・
▼めくらまし物質を出して、表面の看板をなくしツルツルにしちゃう
→免疫細胞のセンサーをかいくぐる。見分けがつかなかった免疫細胞は通り過ぎてしまう。
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→免疫細胞の一種であるサプレッサーT細胞は、免疫が暴走しないようにブレーキ役となって調整する。免疫が働きすぎても弊害を起こす(アレルギーなど)ので、制御する。ガンの場合はかなりの免疫活動を要求されるので制御する必要はないが、ガン細胞があたかも被害者のように振舞うのか、騙されて制御してしまう。
このようにガン細胞はエスケープ現象を使って、生き延びようとするのです。
頭・顔・のどのガン
投稿日時:2012/10/11(木) 17:57
脳腫瘍
脳にできるガン
脳腫瘍には原発性と転移性がある。
【脳腫瘍の分類】
原発性の脳腫瘍は次のように分類される。
1.神経膠腫(しんけいこうしゅ)=グリオーマ
・星細胞腫(せいさいぼうしゅ)
・悪性星細胞腫(あくせいせいさいぼうしゅ)
・膠芽腫(こうがしゅ)
・髄芽腫(ずいがしゅ)
・その他
2.髄膜腫(ずいまくしゅ)
3.下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)
4.神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)
5.先天性腫瘍:頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)など
6.その他
原発性の脳腫瘍から他の臓器へ転移することはほぼありません。これに対し、他の臓器のガンが脳に転移する(転移性脳腫瘍)ケースはよく見られます。特に肺ガン、乳ガンは脳に転移しやすいガンである。
転移性脳腫瘍は、脳の複数の場所にガンが認められる特徴があります。また、ガン細胞が脳脊髄液(のうせきずいえき)のなかで増殖することもある。
腫瘍が発生する部位、病状、経過、予後は様々である。原因、危険因子もはっきりしていない。
【脳腫瘍の症状】
腫瘍が直接圧迫することでおこる「局所症状」と、頭蓋内の圧が高まっておこる「頭蓋内圧亢進症状(ずがいないあつこうしんしょうじょう)」があります。腫瘍の存在する場所によって、症状はちがってきます。一般には、頭痛(慢性的でだんだん強くなる)、嘔吐、歩き方や話し方が異常になる、などが目安になる。進行すると、視覚、聴覚、精神に影響し、痴呆と間違えられることもある。
【脳腫瘍の治療】
・手術、放射線、化学療法を組み合わせる。
・ガンマナイフ:放射線(ガンマ線)のガン細胞への集中照射で手術のように切り取る。
・転移性脳腫瘍は放射線療法が主体になる。
甲状腺ガン
早期の甲状腺ガンの治癒率は高い
甲状腺ガンは、喉頭の下に位置した甲状腺および副甲状腺にできるガンである。甲状腺は、エネルギー代謝を調節する甲状腺ホルモンを分泌している。副甲状腺(上皮小体)は、甲状腺の四隅にあり、血液中のカルシウム濃度を調節する副甲状腺ホルモンを分泌します。
甲状腺ガンは、比較的たちの良いガンで、治療成績は良い。
【甲状腺ガンの危険が高い人】
甲状腺ガンの危険因子ははっきりしていない。放射線被ばく(放射線治療など)、家系(近親者に甲状腺ガンにかかった人がいる)などが考えられる。60歳以上の女性に多い。
【甲状腺ガンの症状】
早期の時点で、症状はほどんど現れない。甲状腺ガンの大きさが3~5cmになると、首の腫れやしこり(腫瘤=しゅりゅう)に気づく。甲状腺ガンが進行すると、声がれ(嗄声=させい)、嚥下困難、呼吸困難が生じる。
【甲状腺ガンの種類】
◆乳頭ガン
甲状腺ガンのうちの約90%は乳頭ガンである。さらに乳頭ガンの90%が、比較的おとなしい(進行してもゆっくり)高分化ガンである。残りの10%は再発、転移しやすい。
◆濾胞(ろほう)ガン
濾胞ガンは、甲状腺ガンのうち10%弱を占める。乳頭ガンととてもよく似ていて、手術前に判別するのは難しい。濾胞ガンも悪性度の低い高分化ガンである。
◆髄様(ずいよう)ガン
髄様ガンは、甲状腺ガンの1%程度である。遺伝性であり、多くは比較的おとなしい良性である。
◆未分化ガン
甲状腺ガンのうち2%ぐらいが、未分化ガンの発生頻度である。未分化ガンの発生経路は、
?甲状腺濾胞上皮細胞から直接発生する
?乳頭ガン、濾胞ガンから転化する
の二つである。
【甲状腺ガンの検査】
甲状腺ガンの発見のきっかけは、頸部の腫瘤(首に出るコブのような腫れ・しこり)である。本人や家族、第三者、医師(別の病気で診察時)などが気づくことから、本格的に甲状腺ガンを疑って検査することが多い。頸部の腫瘤に触れてみて、表面が凸凹していて、腫瘤が動きにくいようなら、甲状腺ガンの可能性が高い。
次に、血液検査、腫瘍マーカー検査、超音波検査、頸部X線検査、CT検査、細胞診などで確定する。
【甲状腺ガンの治療】
手術が基本である。早い病期の乳頭ガン、濾胞ガンなら、手術でほぼ100%治癒すると報告されている。他に、抗ガン剤療法、ホルモン療法、放射線療法がある。放射線療法には、甲状腺ガン独特の療法がある。放射線を出すヨウ素(ヨード)をガン細胞に吸収させ、内部から放射線を照射する方法である。
口腔ガン(舌、歯肉、口腔底など)
舌、歯肉、口腔底、口唇、頬粘膜、耳下腺、顎下腺、小唾液腺などにできるガン
口の中に発生する口腔ガンは、頭頸部ガンの中では咽頭ガンとともに多いガンである。ガンが発生する場所は、舌、歯肉が多く、他に、口腔底、口唇、頬粘膜、耳下腺、顎下腺、小唾液腺などである。
(口腔ガンを咽頭ガンに含んで分類することもある)
口腔ガンのほとんどは、粘膜表面の重層扁平上皮(じゅうそうへんぺいじょうひ)にできる。
【口腔ガンの危険因子】
・口腔内の不衛生
・喫煙
・飲酒
・歯や義歯が当たる慢性的な刺激(キズ)
【口腔ガンの症状】
●舌ガン
最も起こりやすい場所は、側面(辺縁部)、裏側、舌根。
症状としては、
・舌の色の変化(一部が赤くなる、白っぽく厚くなる)
・熱いものや冷たいものの飲食でしみる
・治りにくい口内炎や潰瘍
・飲食物の飲み込みがしにくい(嚥下不良)
・しこり
・しゃべりにくい(舌の運動障害)
●歯肉ガン
・歯肉の変色
・しこり、潰瘍
・歯がぐらつく、歯痛
・歯槽膿漏とまちがえやすい
ガンが進行すると出血しやすくなる。顎の骨に転移しやすい。ガンが骨や筋層に及ぶと、顎の運動がしにくくなる。
【口腔ガンの検査】
口腔ガンは直接目で見やすい部位なので視診で病状が把握しやすい。
病理検査(ガン組織を採取して顕微鏡で調べる)、超音波検査、CT検査、MRI検査などで深さ、周囲への広がりを確認する。
【口腔ガンの治療】
●舌ガン
・手術、放射線
●歯肉ガン
・手術、放射線、抗ガン剤、動注化学療法
咽頭ガン
悪性リンパ腫への移行もある咽頭ガン
口腔と隣接しているので、口腔・咽頭ガンと分類される場合が多い。飲食物、空気の通過、味覚、しゃべる、という機能に不可欠な器官である。咽頭ガンは、上咽頭ガン、中咽頭ガン、下咽頭ガンに分けられる。咽頭ガンは、喫煙と飲酒によって発生するリスクが高くなる。また、上咽頭ガンに関しては、ウイルスの一種(EBウイルス)が原因として考えられている。
【咽頭ガンの症状】
●上咽頭ガン
首の腫れ(リンパ節)、鼻づまり、鼻血、血液の混じる鼻水、耳の痛み、耳の閉塞感、難聴(片側)、ものが二重に見える。
遠隔転移のリスクが高い。主な転移先は肝臓、肺、骨。頸部リンパ節に転移しやすい。
●中咽頭ガン
咽頭の違和感、飲食物がしみる、首の腫れ(リンパ節転移による)、痛み・出血。
周囲にリンパ節が多くリンパ転移しやすい。また悪性リンパ腫の多発部位でもある。
●下咽頭ガン
飲み込む時の異物感、耳の痛み、首のしこり、声がかすれる
食道ガンが併発する(30%くらい)
下咽頭ガンは、ガンがかなり大きくならないと症状がでない。
【咽頭ガンの検査】
視診(肉眼で直接見る。見にくい部位は内視鏡を使う)、触診(指で直接触れる)、病理検査(組織を採取して調べる)、CT検査、MRI検査、超音波検査など。
【咽頭ガンの病期】
●上咽頭ガン
I期:ガンが上咽頭にとどまっている。
II期:ガンが中咽頭や鼻腔などの隣の部位に拡がっているがリンパ節転移がない場合。
咽頭側方への拡がりがあるか鎖骨上のリンパ節以外の片側のリンパ節転移がある場合。
ガンが上咽頭にとどまっていてもガンと同じ側の6cm以下の頸部リンパ節転移がある、
あるいは咽頭側方から頭蓋底付近へのガンの浸潤がある場合。
III期:ガンが骨組織や副鼻腔に拡がっているか、両側の6cm以下の頸部リンパ節転移がある場合。
IV期:ガンがさらに広範に浸潤し、頭の中(頭蓋内)、脳神経、眼窩、下咽頭などへ拡がる、
頸部リンパ節転移が6cmを超えるか、転移が鎖骨上までおよぶ、遠隔転移ありの場合。
●中咽頭ガン
I期:ガンがT1の大きさで頸部リンパ節転移がない場合。
II期:ガンがT2の大きさで頸部リンパ節転移がない場合。
III期:ガンがT1またはT2の大きさで、同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が1個ある場合。
ガンがT3の大きさで頸部リンパ節転移がないか、あるいは同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が
1個ある場合。
IV期:ガンがT4の場合。
頸部リンパ節転移が2個以上認められる、あるいは3cmを超える大きさになる、
あるいは反対側の頸部に出現した場合。
遠隔転移がある場合。
*T分類=ガンの拡がり具合
T1:2cm以下 T2:2~4cm以下 T3:4cm以上 T4:周囲の筋、骨、喉頭などへ拡がった場合
●下咽頭ガン
I期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまるか、その大きさが2cm以下であり、頸部リンパ節転移がない場合。
II期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまらず隣の部位にまで拡がっているが、喉頭の中には及んでいないか、
ガンの大きさが2cm~4cm以下であり、頸部リンパ節転移がない場合。
III期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまらず隣の部位に拡がっており、かつ喉頭の中に及んでいて、
声帯(声をだすところ)が動かないか、がんの大きさが4cmを超えるか、ガンと同じ側の
頸部リンパ節に 3cm以下の転移が1個ある場合。
IV期:ガンが下咽頭にとどまらず周辺(骨、軟骨、筋肉など)に拡がっているか、頸部リンパ節への転移が
6cm以上もしくは2個以上あったり、ガンと反対側の頸部に出てきた場合か、
遠隔転移(肺、骨など)がある場合。
【咽頭ガンの治療】
●上咽頭ガン
放射線療法が主体
●中咽頭ガン
放射線療法が主体だったが、手術の技術が進歩している。
抗ガン剤が選択されるケースもある。
●下咽頭ガン
手術が中心で、放射線、抗ガン剤を組み合わせる。
喉頭ガンは女性に比べ男性が10倍の罹患率
喉頭ガンは、頭頸部ガンの中でも多いガンである。喉頭は声門(声帯)上部、声門(声帯)、声門(声帯)下部に分けられる。声門(声帯)にできるガンがもっとも多い。喉頭ガンは50歳以上で、喫煙、飲酒、声の酷使などで発生しやすい。とくにブリンクマン指数1000以上(1日の喫煙本数に喫煙年数を掛ける《例》1日20本×50年=1000)の人に発生する危険が高い。
男性の喉頭ガンに罹る率と死亡率は女性の約10倍である。
【喉頭ガンの症状】
声のかすれ(嗄声=させい)が1ヶ月以上続く、のどの異物感、のどの痛みなど。
声門(声帯)下部のガンは症状が出にくい。
進行すると、声門が狭くなったり声帯の運動が悪くなることもあり、呼吸がゼーゼーしたり、スムーズにできなくなる。ガンが粘膜表面に出てくると出血し、血痰になったり、息が生臭い悪臭になる。
【喉頭ガンの検査】
視診(喉頭鏡、鼻から挿入するファイバースコープで直接観察する)、病理検査(組織を採取して調べる)、X線検査、超音波検査、CT検査、MRI検査など。
【喉頭ガンの病期】
I期:ガンが1亜部(喉頭とさらに小さい単位に分けたもの)に限られている場合。
*声門ガンの場合はさらに?a(ガンが片方の声帯とどまる)と?b(ガンが両方の声帯にある)に分けられる。
II期:喉頭内の隣接亜部位まで進展しているが、喉頭内にとどまっている場合で、
頸部リンパ節転移、遠隔転移ともない場合。
III期:声帯が全く動かなくなったり、3cm以下の頸部リンパ節転移を1個認めるが、遠隔転移はない場合。
IV期:ガンが喉頭を越えて咽頭や頸部に及ぶ、頸部リンパ節転移が多発する、あるいは転移リンパ節が
6cm以上となる、
またはガンと反対側の頸部リンパ節転移、遠隔転移がある場合。
【喉頭ガンの治療】
早期のガンには放射線療法、進行しているガンには手術(喉頭全摘術)が主になる。
喉頭部分切除、発声機能を残すための放射線化学療法(放射線+抗ガン剤)も選択される。
【喉頭全摘術(手術で喉頭を全部とってしまう)の影響】
●息を吹く、吸うことができない
首の付け根の「永久気管孔」をつけて空気の通り道を確保するため、咳や痰が出やすくなったり、吹く・吸うという動作ができなくなる。
●嗅覚障害
鼻から吸気できないので、匂いがわからない。
●声の喪失
声帯がなくなり自然な発声ができなくなる。発声訓練(食道発声法、パイプ式人工喉頭=タピア笛、電気人工喉頭、シャント法)によって会話ができるようにする。
鼻腔ガン、副鼻腔ガン
減少傾向にある鼻腔ガン、副鼻腔ガン
呼吸のための空気の出入り口(鼻腔)、および鼻腔の左右にある4つの副鼻腔(上顎洞=じょうがくどう、前頭洞=ぜんとうどう、篩骨洞=しこつどう、蝶形骨洞=ちょうけいこつどう)にできるガンである。なかでも上顎洞に好発する。40~60歳代。女性より男性に多い。
鼻腔・副鼻腔ガンの原因としては、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、ヒトパピローマウイルスの感染、クローム(金属)などが考えられているが、はっきりはしていない。鼻腔・副鼻腔ガンは減少傾向にあるが、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が減っていることによるものと考えられる。
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの症状】
鼻づまり(鼻閉)、膿のような鼻水(慢性副鼻腔炎=蓄膿症とまちがえやすい)、鼻水に血が混じる(血性鼻漏)、悪臭(ガン細胞の壊死による)、頭痛・頭重などである。
さらに進行すると周辺部位を侵す。
《眼》
ガンが眼窩を侵すことによって、眼球が圧迫され、位置がずれる、突き出る、腫れる、動きにくい、物が二重に見える(複視)などの症状がでる。
《歯、口の中の上部(硬口蓋=こうこうがい)》
頬の腫れ・痛み、歯痛、歯肉・硬口蓋の腫れ。
《上咽頭=じょういんとう》
耳に接する部分なので、滲出性中耳炎、難聴。
《あご》
口を開けにくい(開口障害)、物を噛みにくい(咀嚼障害=そしゃくしょうがい)
《頭部(頭蓋)など》
激しい頭痛、顔面の知覚麻痺、三叉神経麻痺
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの検査】
病理検査(組織を採取して調べる)、CT検査、MRI検査など。
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの治療】
放射線、抗ガン剤、手術
*手術は顔貌の変化を伴うので、主治医、家族と納得するまで話し合って受けるのが望ましい。
脳にできるガン
脳腫瘍には原発性と転移性がある。
【脳腫瘍の分類】
原発性の脳腫瘍は次のように分類される。
1.神経膠腫(しんけいこうしゅ)=グリオーマ
・星細胞腫(せいさいぼうしゅ)
・悪性星細胞腫(あくせいせいさいぼうしゅ)
・膠芽腫(こうがしゅ)
・髄芽腫(ずいがしゅ)
・その他
2.髄膜腫(ずいまくしゅ)
3.下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)
4.神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)
5.先天性腫瘍:頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)など
6.その他
原発性の脳腫瘍から他の臓器へ転移することはほぼありません。これに対し、他の臓器のガンが脳に転移する(転移性脳腫瘍)ケースはよく見られます。特に肺ガン、乳ガンは脳に転移しやすいガンである。
転移性脳腫瘍は、脳の複数の場所にガンが認められる特徴があります。また、ガン細胞が脳脊髄液(のうせきずいえき)のなかで増殖することもある。
腫瘍が発生する部位、病状、経過、予後は様々である。原因、危険因子もはっきりしていない。
【脳腫瘍の症状】
腫瘍が直接圧迫することでおこる「局所症状」と、頭蓋内の圧が高まっておこる「頭蓋内圧亢進症状(ずがいないあつこうしんしょうじょう)」があります。腫瘍の存在する場所によって、症状はちがってきます。一般には、頭痛(慢性的でだんだん強くなる)、嘔吐、歩き方や話し方が異常になる、などが目安になる。進行すると、視覚、聴覚、精神に影響し、痴呆と間違えられることもある。
【脳腫瘍の治療】
・手術、放射線、化学療法を組み合わせる。
・ガンマナイフ:放射線(ガンマ線)のガン細胞への集中照射で手術のように切り取る。
・転移性脳腫瘍は放射線療法が主体になる。
甲状腺ガン
早期の甲状腺ガンの治癒率は高い
甲状腺ガンは、喉頭の下に位置した甲状腺および副甲状腺にできるガンである。甲状腺は、エネルギー代謝を調節する甲状腺ホルモンを分泌している。副甲状腺(上皮小体)は、甲状腺の四隅にあり、血液中のカルシウム濃度を調節する副甲状腺ホルモンを分泌します。
甲状腺ガンは、比較的たちの良いガンで、治療成績は良い。
【甲状腺ガンの危険が高い人】
甲状腺ガンの危険因子ははっきりしていない。放射線被ばく(放射線治療など)、家系(近親者に甲状腺ガンにかかった人がいる)などが考えられる。60歳以上の女性に多い。
【甲状腺ガンの症状】
早期の時点で、症状はほどんど現れない。甲状腺ガンの大きさが3~5cmになると、首の腫れやしこり(腫瘤=しゅりゅう)に気づく。甲状腺ガンが進行すると、声がれ(嗄声=させい)、嚥下困難、呼吸困難が生じる。
【甲状腺ガンの種類】
◆乳頭ガン
甲状腺ガンのうちの約90%は乳頭ガンである。さらに乳頭ガンの90%が、比較的おとなしい(進行してもゆっくり)高分化ガンである。残りの10%は再発、転移しやすい。
◆濾胞(ろほう)ガン
濾胞ガンは、甲状腺ガンのうち10%弱を占める。乳頭ガンととてもよく似ていて、手術前に判別するのは難しい。濾胞ガンも悪性度の低い高分化ガンである。
◆髄様(ずいよう)ガン
髄様ガンは、甲状腺ガンの1%程度である。遺伝性であり、多くは比較的おとなしい良性である。
◆未分化ガン
甲状腺ガンのうち2%ぐらいが、未分化ガンの発生頻度である。未分化ガンの発生経路は、
?甲状腺濾胞上皮細胞から直接発生する
?乳頭ガン、濾胞ガンから転化する
の二つである。
【甲状腺ガンの検査】
甲状腺ガンの発見のきっかけは、頸部の腫瘤(首に出るコブのような腫れ・しこり)である。本人や家族、第三者、医師(別の病気で診察時)などが気づくことから、本格的に甲状腺ガンを疑って検査することが多い。頸部の腫瘤に触れてみて、表面が凸凹していて、腫瘤が動きにくいようなら、甲状腺ガンの可能性が高い。
次に、血液検査、腫瘍マーカー検査、超音波検査、頸部X線検査、CT検査、細胞診などで確定する。
【甲状腺ガンの治療】
手術が基本である。早い病期の乳頭ガン、濾胞ガンなら、手術でほぼ100%治癒すると報告されている。他に、抗ガン剤療法、ホルモン療法、放射線療法がある。放射線療法には、甲状腺ガン独特の療法がある。放射線を出すヨウ素(ヨード)をガン細胞に吸収させ、内部から放射線を照射する方法である。
口腔ガン(舌、歯肉、口腔底など)
舌、歯肉、口腔底、口唇、頬粘膜、耳下腺、顎下腺、小唾液腺などにできるガン
口の中に発生する口腔ガンは、頭頸部ガンの中では咽頭ガンとともに多いガンである。ガンが発生する場所は、舌、歯肉が多く、他に、口腔底、口唇、頬粘膜、耳下腺、顎下腺、小唾液腺などである。
(口腔ガンを咽頭ガンに含んで分類することもある)
口腔ガンのほとんどは、粘膜表面の重層扁平上皮(じゅうそうへんぺいじょうひ)にできる。
【口腔ガンの危険因子】
・口腔内の不衛生
・喫煙
・飲酒
・歯や義歯が当たる慢性的な刺激(キズ)
【口腔ガンの症状】
●舌ガン
最も起こりやすい場所は、側面(辺縁部)、裏側、舌根。
症状としては、
・舌の色の変化(一部が赤くなる、白っぽく厚くなる)
・熱いものや冷たいものの飲食でしみる
・治りにくい口内炎や潰瘍
・飲食物の飲み込みがしにくい(嚥下不良)
・しこり
・しゃべりにくい(舌の運動障害)
●歯肉ガン
・歯肉の変色
・しこり、潰瘍
・歯がぐらつく、歯痛
・歯槽膿漏とまちがえやすい
ガンが進行すると出血しやすくなる。顎の骨に転移しやすい。ガンが骨や筋層に及ぶと、顎の運動がしにくくなる。
【口腔ガンの検査】
口腔ガンは直接目で見やすい部位なので視診で病状が把握しやすい。
病理検査(ガン組織を採取して顕微鏡で調べる)、超音波検査、CT検査、MRI検査などで深さ、周囲への広がりを確認する。
【口腔ガンの治療】
●舌ガン
・手術、放射線
●歯肉ガン
・手術、放射線、抗ガン剤、動注化学療法
咽頭ガン
悪性リンパ腫への移行もある咽頭ガン
口腔と隣接しているので、口腔・咽頭ガンと分類される場合が多い。飲食物、空気の通過、味覚、しゃべる、という機能に不可欠な器官である。咽頭ガンは、上咽頭ガン、中咽頭ガン、下咽頭ガンに分けられる。咽頭ガンは、喫煙と飲酒によって発生するリスクが高くなる。また、上咽頭ガンに関しては、ウイルスの一種(EBウイルス)が原因として考えられている。
【咽頭ガンの症状】
●上咽頭ガン
首の腫れ(リンパ節)、鼻づまり、鼻血、血液の混じる鼻水、耳の痛み、耳の閉塞感、難聴(片側)、ものが二重に見える。
遠隔転移のリスクが高い。主な転移先は肝臓、肺、骨。頸部リンパ節に転移しやすい。
●中咽頭ガン
咽頭の違和感、飲食物がしみる、首の腫れ(リンパ節転移による)、痛み・出血。
周囲にリンパ節が多くリンパ転移しやすい。また悪性リンパ腫の多発部位でもある。
●下咽頭ガン
飲み込む時の異物感、耳の痛み、首のしこり、声がかすれる
食道ガンが併発する(30%くらい)
下咽頭ガンは、ガンがかなり大きくならないと症状がでない。
【咽頭ガンの検査】
視診(肉眼で直接見る。見にくい部位は内視鏡を使う)、触診(指で直接触れる)、病理検査(組織を採取して調べる)、CT検査、MRI検査、超音波検査など。
【咽頭ガンの病期】
●上咽頭ガン
I期:ガンが上咽頭にとどまっている。
II期:ガンが中咽頭や鼻腔などの隣の部位に拡がっているがリンパ節転移がない場合。
咽頭側方への拡がりがあるか鎖骨上のリンパ節以外の片側のリンパ節転移がある場合。
ガンが上咽頭にとどまっていてもガンと同じ側の6cm以下の頸部リンパ節転移がある、
あるいは咽頭側方から頭蓋底付近へのガンの浸潤がある場合。
III期:ガンが骨組織や副鼻腔に拡がっているか、両側の6cm以下の頸部リンパ節転移がある場合。
IV期:ガンがさらに広範に浸潤し、頭の中(頭蓋内)、脳神経、眼窩、下咽頭などへ拡がる、
頸部リンパ節転移が6cmを超えるか、転移が鎖骨上までおよぶ、遠隔転移ありの場合。
●中咽頭ガン
I期:ガンがT1の大きさで頸部リンパ節転移がない場合。
II期:ガンがT2の大きさで頸部リンパ節転移がない場合。
III期:ガンがT1またはT2の大きさで、同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が1個ある場合。
ガンがT3の大きさで頸部リンパ節転移がないか、あるいは同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が
1個ある場合。
IV期:ガンがT4の場合。
頸部リンパ節転移が2個以上認められる、あるいは3cmを超える大きさになる、
あるいは反対側の頸部に出現した場合。
遠隔転移がある場合。
*T分類=ガンの拡がり具合
T1:2cm以下 T2:2~4cm以下 T3:4cm以上 T4:周囲の筋、骨、喉頭などへ拡がった場合
●下咽頭ガン
I期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまるか、その大きさが2cm以下であり、頸部リンパ節転移がない場合。
II期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまらず隣の部位にまで拡がっているが、喉頭の中には及んでいないか、
ガンの大きさが2cm~4cm以下であり、頸部リンパ節転移がない場合。
III期:ガンが下咽頭の一箇所にとどまらず隣の部位に拡がっており、かつ喉頭の中に及んでいて、
声帯(声をだすところ)が動かないか、がんの大きさが4cmを超えるか、ガンと同じ側の
頸部リンパ節に 3cm以下の転移が1個ある場合。
IV期:ガンが下咽頭にとどまらず周辺(骨、軟骨、筋肉など)に拡がっているか、頸部リンパ節への転移が
6cm以上もしくは2個以上あったり、ガンと反対側の頸部に出てきた場合か、
遠隔転移(肺、骨など)がある場合。
【咽頭ガンの治療】
●上咽頭ガン
放射線療法が主体
●中咽頭ガン
放射線療法が主体だったが、手術の技術が進歩している。
抗ガン剤が選択されるケースもある。
●下咽頭ガン
手術が中心で、放射線、抗ガン剤を組み合わせる。
喉頭ガンは女性に比べ男性が10倍の罹患率
喉頭ガンは、頭頸部ガンの中でも多いガンである。喉頭は声門(声帯)上部、声門(声帯)、声門(声帯)下部に分けられる。声門(声帯)にできるガンがもっとも多い。喉頭ガンは50歳以上で、喫煙、飲酒、声の酷使などで発生しやすい。とくにブリンクマン指数1000以上(1日の喫煙本数に喫煙年数を掛ける《例》1日20本×50年=1000)の人に発生する危険が高い。
男性の喉頭ガンに罹る率と死亡率は女性の約10倍である。
【喉頭ガンの症状】
声のかすれ(嗄声=させい)が1ヶ月以上続く、のどの異物感、のどの痛みなど。
声門(声帯)下部のガンは症状が出にくい。
進行すると、声門が狭くなったり声帯の運動が悪くなることもあり、呼吸がゼーゼーしたり、スムーズにできなくなる。ガンが粘膜表面に出てくると出血し、血痰になったり、息が生臭い悪臭になる。
【喉頭ガンの検査】
視診(喉頭鏡、鼻から挿入するファイバースコープで直接観察する)、病理検査(組織を採取して調べる)、X線検査、超音波検査、CT検査、MRI検査など。
【喉頭ガンの病期】
I期:ガンが1亜部(喉頭とさらに小さい単位に分けたもの)に限られている場合。
*声門ガンの場合はさらに?a(ガンが片方の声帯とどまる)と?b(ガンが両方の声帯にある)に分けられる。
II期:喉頭内の隣接亜部位まで進展しているが、喉頭内にとどまっている場合で、
頸部リンパ節転移、遠隔転移ともない場合。
III期:声帯が全く動かなくなったり、3cm以下の頸部リンパ節転移を1個認めるが、遠隔転移はない場合。
IV期:ガンが喉頭を越えて咽頭や頸部に及ぶ、頸部リンパ節転移が多発する、あるいは転移リンパ節が
6cm以上となる、
またはガンと反対側の頸部リンパ節転移、遠隔転移がある場合。
【喉頭ガンの治療】
早期のガンには放射線療法、進行しているガンには手術(喉頭全摘術)が主になる。
喉頭部分切除、発声機能を残すための放射線化学療法(放射線+抗ガン剤)も選択される。
【喉頭全摘術(手術で喉頭を全部とってしまう)の影響】
●息を吹く、吸うことができない
首の付け根の「永久気管孔」をつけて空気の通り道を確保するため、咳や痰が出やすくなったり、吹く・吸うという動作ができなくなる。
●嗅覚障害
鼻から吸気できないので、匂いがわからない。
●声の喪失
声帯がなくなり自然な発声ができなくなる。発声訓練(食道発声法、パイプ式人工喉頭=タピア笛、電気人工喉頭、シャント法)によって会話ができるようにする。
鼻腔ガン、副鼻腔ガン
減少傾向にある鼻腔ガン、副鼻腔ガン
呼吸のための空気の出入り口(鼻腔)、および鼻腔の左右にある4つの副鼻腔(上顎洞=じょうがくどう、前頭洞=ぜんとうどう、篩骨洞=しこつどう、蝶形骨洞=ちょうけいこつどう)にできるガンである。なかでも上顎洞に好発する。40~60歳代。女性より男性に多い。
鼻腔・副鼻腔ガンの原因としては、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、ヒトパピローマウイルスの感染、クローム(金属)などが考えられているが、はっきりはしていない。鼻腔・副鼻腔ガンは減少傾向にあるが、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が減っていることによるものと考えられる。
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの症状】
鼻づまり(鼻閉)、膿のような鼻水(慢性副鼻腔炎=蓄膿症とまちがえやすい)、鼻水に血が混じる(血性鼻漏)、悪臭(ガン細胞の壊死による)、頭痛・頭重などである。
さらに進行すると周辺部位を侵す。
《眼》
ガンが眼窩を侵すことによって、眼球が圧迫され、位置がずれる、突き出る、腫れる、動きにくい、物が二重に見える(複視)などの症状がでる。
《歯、口の中の上部(硬口蓋=こうこうがい)》
頬の腫れ・痛み、歯痛、歯肉・硬口蓋の腫れ。
《上咽頭=じょういんとう》
耳に接する部分なので、滲出性中耳炎、難聴。
《あご》
口を開けにくい(開口障害)、物を噛みにくい(咀嚼障害=そしゃくしょうがい)
《頭部(頭蓋)など》
激しい頭痛、顔面の知覚麻痺、三叉神経麻痺
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの検査】
病理検査(組織を採取して調べる)、CT検査、MRI検査など。
【鼻腔ガン、副鼻腔ガンの治療】
放射線、抗ガン剤、手術
*手術は顔貌の変化を伴うので、主治医、家族と納得するまで話し合って受けるのが望ましい。
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キチン・キトサンってなぁーに? 桐山浩 著 (株)日流プランニング
1997/10
今世紀最後の健効食「水溶性キトサン」の衝撃 藤本治国 著 現代書林
1997/08
ガンを劇的に治す「水溶性キトサン」の秘密 杜明 著 荒地出版社
1997/08
波動食品革命 渡邊広 著 星雲社
1997/07
驚異のキトサン・食後ダイエット 唐亮 著 松木康夫 監修 廣済堂出版
1997/06
キチン・キトサンでガンを生き抜く 旭丘光志 著 メタモル出版
1997/05
一万人の医師が使い始めた健康回復物質 旭丘光志 著 現代書林
1995/02
キトサンの驚異 今村博尚 編著 日東書院
1994/12
キチン・キトサン 健友館 編著 健友館
1994/10
キチン・キトサン健康法 ヘルス・ライブラリー編集部 編 史輝出版
1994/07
決定版!キチン・キトサンの奇跡! 穴水玲逸 監修 文園社
1994/07
キチン・キトサンの不思議な力 金子今朝夫 監修 荒地出版社
1994/06
キチン・キトサン・基礎と薬理 薬局新聞社
1994/06
キチン・キトサンで病気に挑戦 金子今朝夫 著 銀河出版
1994/04
キチン、キトサンのメディカルへの応用 木船紘爾 著 技報堂出版
1994/04
「キチン・キトサン」はなぜ成人病によいのか 旭丘光志 著 現代書林
1993/12
奇跡のキチン・キトサン 松永亮 監 サクセスマーケティング
1993/12
キチン、キトサンのはなし 矢吹稔 著 技報堂出版
1992/10
農業新素材バイオキトサン 微生物処理キトサン研究会/編 大成出版社
1991/07
キチン、キトサン実験マニュアル キチン、キトサン研究会/編 技報堂出版
1991/05
キチン、キトサンの応用 キチン、キトサン研究会/編 技報堂出版
1990/02
キチン,キトサン最後のバイオマス キチン,キトサン研究会/編 技報堂出版
1988/02
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