キトサンを活用して健康生活を維持 2012/8/23
インフルエンザ迅速検査、全体の感度は62%
投稿日時:2012/08/23(木) 18:22
インフルエンザの迅速診断検査の精度を検討した
研究を対象としたメタ分析で、市販されている
迅速診断検査全体の特異度は98.2%と高いが、
感度は62.3%であることが分かった。
著者であるカナダMontreal 大学のCaroline
Chartrand氏らは、「陽性判定時に偽陽性が
存在する可能性は低いが、
陰性判定だった人々の中には偽陰性患者が
混じっていることに注意しなければならない」と述べている。
論文は、Ann Intern Med誌電子版に2012年2月27日に掲載された。
インフルエンザを早期に診断できれば、
患者の管理は向上する。流行期の臨床現場では、
簡便な迅速診断検査が広く用いられている。
その精度について、特異度はおおよそ90%超と
報告されているが、感度については10%から80%
まで様々な報告があり、市販されている多様な
検査を小児と成人に適用した場合の診断精度を
分析したレビューはこれまで行われていなかった。
また、迅速診断検査の精度に関するレビューを
2009 H1N1パンデミック後に行った研究者はいなかった。
そこで著者らは、成人と小児(18歳未満)の
インフルエンザ様疾患患者について、迅速診断検査
の精度をRT-PCRまたはウイルス培養と比較した
研究を対象に、メタ分析を行った。
PubMedとEMBASEに11年12月までに登録
された研究と、BIOSIS、Web of Scienceに
10年3月までに登録された研究、そして各論
文の引用文献、ガイドライン、製造会社が保
有する情報などからデータを抽出した。
市販されている、免疫クロマト法を用いて
インフルエンザウイルスの抗原を検出する
迅速診断検査のいずれかの精度を、RT-PCR
検査またはウイルス培養検査と比較していた研究を選んだ。
119本の報告が条件を満たした。一部は
複数の迅速検査について評価していたため、
迅速検査と参照検査の精度の比較件数は1
59件になった。159件中52%が、成人と小児
の両方を登録していた。成人のみを対象とした
研究は14%、小児のみは34%だった
。35%の比較が2009 H1N1パンデミック期間に行われていた。
患者または標本の組み入れ条件を明らかに
していた研究は33%にとどまり、発症から検査
までに要した時間を記録していたのは13%のみだった。
盲検化による比較は41%だった。
参照としては、RT-PCRとウイルス培養がほぼ同じ頻度
で用いられていた。それらと比較されていたのは26種類
の迅速検査だった。内訳は、Binax検査(BinaxNOW Flu
A/Bが6件、BinaxNOW Influenza A/Bが22件)、
Directigen検査(Directigen Flu Aが11件、Directigen Flu A+Bが30件)
、QuickVue検査(QuickVue Influenzaが18件、QuikVue Influenza A+Bが23件)など。
個々の比較で報告されていた感度は、
4.4%から100%とばらつきが大きかった。
感度に比べて特異度のばらつきは小さく、
50.5%から100%の間で、85%以下の値を報告
していたのは17件(10.7%)にとどまった。
データをプールして求めたサマリー感度は62.3%
(95%信頼区間57.9-66.6%)で、サマリー特異度は
98.2%(23.8-98.7%)。これらの値を基に計算した
陽性尤度比は34.5(23.8-45.2)、陰性尤度比は0.38(0.34-0.43)になった。
感度は小児よりも成人の方が低かった。
成人に迅速検査を行った場合の感度は53.9%
(47.9-59.8%)、小児は66.6%(61.6-71.7%)
(P<0.001)。特異度は、成人が98.6%(98.0-98.9%)、
小児は98.2%(97.5-99.0%)で、有意差は
みられなかった(P=0.135)。
また、A型インフルエンザに対する感度は64.6%
(59.0-70.1%)だが、B型については52.2%
(45.0-59.3%)と低い傾向が見られた。
特異度はそれぞれ99.1%(98.7-99.4%)と
99.8(99.7-99.9%)で同程度だった。
研究を対象としたメタ分析で、市販されている
迅速診断検査全体の特異度は98.2%と高いが、
感度は62.3%であることが分かった。
著者であるカナダMontreal 大学のCaroline
Chartrand氏らは、「陽性判定時に偽陽性が
存在する可能性は低いが、
陰性判定だった人々の中には偽陰性患者が
混じっていることに注意しなければならない」と述べている。
論文は、Ann Intern Med誌電子版に2012年2月27日に掲載された。
インフルエンザを早期に診断できれば、
患者の管理は向上する。流行期の臨床現場では、
簡便な迅速診断検査が広く用いられている。
その精度について、特異度はおおよそ90%超と
報告されているが、感度については10%から80%
まで様々な報告があり、市販されている多様な
検査を小児と成人に適用した場合の診断精度を
分析したレビューはこれまで行われていなかった。
また、迅速診断検査の精度に関するレビューを
2009 H1N1パンデミック後に行った研究者はいなかった。
そこで著者らは、成人と小児(18歳未満)の
インフルエンザ様疾患患者について、迅速診断検査
の精度をRT-PCRまたはウイルス培養と比較した
研究を対象に、メタ分析を行った。
PubMedとEMBASEに11年12月までに登録
された研究と、BIOSIS、Web of Scienceに
10年3月までに登録された研究、そして各論
文の引用文献、ガイドライン、製造会社が保
有する情報などからデータを抽出した。
市販されている、免疫クロマト法を用いて
インフルエンザウイルスの抗原を検出する
迅速診断検査のいずれかの精度を、RT-PCR
検査またはウイルス培養検査と比較していた研究を選んだ。
119本の報告が条件を満たした。一部は
複数の迅速検査について評価していたため、
迅速検査と参照検査の精度の比較件数は1
59件になった。159件中52%が、成人と小児
の両方を登録していた。成人のみを対象とした
研究は14%、小児のみは34%だった
。35%の比較が2009 H1N1パンデミック期間に行われていた。
患者または標本の組み入れ条件を明らかに
していた研究は33%にとどまり、発症から検査
までに要した時間を記録していたのは13%のみだった。
盲検化による比較は41%だった。
参照としては、RT-PCRとウイルス培養がほぼ同じ頻度
で用いられていた。それらと比較されていたのは26種類
の迅速検査だった。内訳は、Binax検査(BinaxNOW Flu
A/Bが6件、BinaxNOW Influenza A/Bが22件)、
Directigen検査(Directigen Flu Aが11件、Directigen Flu A+Bが30件)
、QuickVue検査(QuickVue Influenzaが18件、QuikVue Influenza A+Bが23件)など。
個々の比較で報告されていた感度は、
4.4%から100%とばらつきが大きかった。
感度に比べて特異度のばらつきは小さく、
50.5%から100%の間で、85%以下の値を報告
していたのは17件(10.7%)にとどまった。
データをプールして求めたサマリー感度は62.3%
(95%信頼区間57.9-66.6%)で、サマリー特異度は
98.2%(23.8-98.7%)。これらの値を基に計算した
陽性尤度比は34.5(23.8-45.2)、陰性尤度比は0.38(0.34-0.43)になった。
感度は小児よりも成人の方が低かった。
成人に迅速検査を行った場合の感度は53.9%
(47.9-59.8%)、小児は66.6%(61.6-71.7%)
(P<0.001)。特異度は、成人が98.6%(98.0-98.9%)、
小児は98.2%(97.5-99.0%)で、有意差は
みられなかった(P=0.135)。
また、A型インフルエンザに対する感度は64.6%
(59.0-70.1%)だが、B型については52.2%
(45.0-59.3%)と低い傾向が見られた。
特異度はそれぞれ99.1%(98.7-99.4%)と
99.8(99.7-99.9%)で同程度だった。
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